テニスからパデルの「四門出遊」

日本でパデルをされる方の多くはテニス経験者です。同じラケットスポーツだということをきっかけにパデルを始める方が多いですが、テニスとパデルは別物です。

パデルでは、テニスと違うラケットやボールを使い、「壁」という要素も加わるので、テニスとは異なった戦略やテクニックが必要です。その違いに気がつくまでの道のりには大きく四つの門、仏教でいう「四門出遊」が訪れます。


第一の門:「庭球転倒」

テニス経験者は、同じラケットスポーツだからと言ってパデルをテニスっぽくやりがちです。
それはテニスが上手ければ上手いほど、最初のうちは通用するかもしれません。しかし、そのままではカウンターを食らったり、思ったようにポイントが決まらなかったり、ミスが出るようになってしまうのです。

それは「テニスのプレーがパデルに通用する」という根本的な考え方の間違いなのです。

本末転倒というより「庭球転倒」です。


第二の門:「板球苦慮」

「パデル」というスポーツを理解し始めると、ミスが多いと勝てないことに気がつきます。パワーばかりに頼っていたら、カウンターで痛い目にあってしまうのです。

ここまで来れば、見た目はパデルっぽくなってきているはず。でも「ポイントってどうやったら取れるんだ!?」と迷い始めます。

パデルをしながら焦心苦慮する日々が続いてしまうのです。それは「板球苦慮」な日々でしょう。

*板球:「パデル」は中国語で「板球」と言うそうです。


第三の門:「眼高技低」

プロの試合を見たり、球出し練習をしたり…悩みに悩んだ結果、「自分には足りないショットだらけだ」と気がつきます。練習や試合で「このショットが打てたら…!」なんて思う場面ばかり。やりたいことは明確なのに、できない自分がいることに苦しみはじめます。

高きを目指しているけれど、まだ技術が低いのが現状。そんな第三の門は眼高手低ではなく、「眼高技低」です。


第四の門:「温故技新」

バンデッハ、ビボラ、レマテ、チキータ。試合で使えるレベルまで練習を積み重ねてきました。でもパデルは地味なスポーツ。確かにこれらパデル特有のショットを覚えて、パデルっぽい戦略・プレーができるようになったけれど、だからと言ってテニスみたいに圧倒的に勝つことは難しい。だってパデルは誰もがプレーできるスポーツだから。レベルに差があっても、一発で決まるショットがなく、確実に勝つのが難しいのです。

じゃあもう自分のスキルを磨くしかない。過去のプレイを研究して、新しい技術に結びつけるしかない。パデルには無限の成長の可能性があります。それはまさに温故知新ではなく、「温故技新」と言えるでしょう。